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ー左官工事と防水性をわかりやすく解説 雨漏りを防ぐ壁づくりの基本ー

左官工事と防水性の関係を最初に押さえる

左官工事は、モルタルや漆喰などを塗り付けて壁や床を仕上げる工事です。見た目を整えるだけでなく、風雨や湿気から建物を守る役割も担います。ただし左官仕上げは、素材そのものが完全に水を通さないという意味での防水ではありません。防水性とは、水が入りにくい構造や層の組み合わせで雨水の侵入を抑える性質だと考えると理解しやすいです。外壁やベランダのように雨が直接当たる場所では、左官層だけに頼らず、下地やシーリング、勾配なども含めた総合力で守ります。

防水と撥水と透湿の違い

防水は水を通さないこと、撥水は表面で水を弾いて染み込みにくくすることです。一方で透湿は内部の湿気を外へ逃がす性質で、結露や膨れを防ぐうえで重要になります。左官材料は透湿性を持つものが多く、適切に使うと壁の中の湿気をこもらせにくい反面、雨水が長時間当たると吸水してしまうことがあります。そこで撥水処理や仕上げの選択、下地の防水層が効いてきます。

左官は雨を止める壁づくりの一部

雨漏りを防ぐ考え方は、入口を作らないことと、入っても抜け道を用意することの両立です。左官層は表面を守り、微細な凹凸を埋めて水の滞留を減らす働きがあります。加えて下地側で防水紙や防水塗膜が機能し、継ぎ目はシーリングが補います。どれか一つが強くても、別の弱点から水が回るため、全体の整合が大切です。

外壁モルタルの防水性はどこで決まるか

外壁で多い左官はモルタル仕上げです。モルタルは硬化して強度が出ますが、微細な孔があり、長時間の雨で吸水する性質があります。つまり防水性は、材料単体の性能よりも、層構成と施工精度で大きく変わります。防水性を高めるには、ひび割れを起こしにくい下地づくりと、雨水が溜まらないディテールが重要です。仕上げ材の選び方と、乾燥時間を守ることも耐久性に直結します。

ひび割れが水の入口になる

外壁の防水性を下げる最大要因はひび割れです。細いひびでも、雨が繰り返し当たると内部へ水が吸い込まれ、下地の劣化や鉄部の錆につながります。窓の角や開口部の周囲は応力が集中しやすく、ひびが入りやすいポイントです。施工ではメッシュや下塗りの厚み、養生期間などでひびを抑えます。日常では、雨筋や色むら、白い粉が出る変化を早めに見つけることが予防になります。

仕上げの塗装や撥水で差が出る

同じモルタルでも、表面の仕上げで雨への強さは変わります。塗装は表面の吸水を抑え、汚れの付着も減らす効果が期待できます。撥水剤は水を弾きつつ透湿性を残しやすい選択肢ですが、劣化すると効果が落ちるため定期的な点検が前提です。逆に硬い塗膜で密閉しすぎると、内部の湿気が逃げにくくなり膨れの原因になることがあります。建物の環境に合わせたバランスが必要です。

内装左官は防水よりも湿気コントロールが鍵

室内の左官仕上げは、外壁ほど雨を受けないため、防水性よりも湿気との付き合い方が重要です。漆喰や珪藻土は調湿性があり、室内の湿度変動を緩やかにします。ただし水回りのように水滴が直接かかる場所では、表面の吸水でシミやカビが出ることがあります。内装で求めるのは、水を完全に止める壁というより、濡れたときに悪化しにくい仕上げと、換気で乾かせる環境づくりです。

漆喰や珪藻土の弱点を知る

これらの材料は呼吸する壁として人気ですが、油や色の強い汚れを吸い込みやすい面があります。キッチン周りでは油煙が付着し、湿気と合わさると黒ずみになりがちです。洗面や脱衣所では結露が続くとカビが出ることもあります。表面を強くこすると質感が変わるため、掃除は乾いたほこり取りが基本です。水滴が飛びやすい場所は、腰壁だけ別素材にするなどゾーン分けも有効です。

湿気が抜ける納まりが長持ちの条件

壁の内部で湿気がこもると、膨れや浮きの原因になります。内装でも下地の種類や通気の取り方で差が出ます。家具を壁にぴったり付けると空気が動かず結露が残りやすいので、少し隙間を作るだけでも効果があります。加湿器は壁から離し、換気扇は短時間でも回数多めに使うと乾きやすい環境になります。左官の良さを活かすには、素材だけでなく暮らし方もセットで考えるのがコツです。

雨漏りを防ぐために重要な下地と取り合い

防水性は表面の見た目だけでは判断できません。実際に水を止める主役は、下地の防水層やシート、取り合い部の処理であることが多いです。左官仕上げはそれらを保護し、外力や紫外線から守る役割も持ちます。だからこそ、窓周りやバルコニーの立ち上がり、配管の貫通部など、水が入りやすい場所の納まりが非常に重要です。ここが弱いと、どんなに表面がきれいでも雨漏りは起こります。

取り合い部は動きが出る前提で考える

サッシや金物、異なる材料が接する部分は、温度差や地震でわずかに動きます。その動きに左官が追従できないと、ひびが生まれて水の入口になります。そこでシーリングや見切り材で動きを逃がし、左官は無理に跨がない設計が基本です。補修のときも、ひびを埋めるだけでなく、動きが続く場所かどうかを見極めると再発を減らせます。

水の流れを作ると防水性は上がる

雨水は重力で下へ流れます。だから壁や庇、笠木などの形状で水を切り、溜めないことが大切です。勾配が足りない水平面は特に危険で、表面の撥水だけでは限界があります。水切り金物や滴下ラインが機能しているか、雨どいが詰まっていないかも、防水性に直結します。左官工事だけで完結する話ではなく、建物全体の排水設計と点検がセットになります。

防水性を高めるためのメンテナンスと依頼の目安

左官仕上げを長持ちさせるには、劣化を小さいうちに見つけて対処することが最も効果的です。外壁なら年に一度の目視点検と、大雨の後の確認を習慣にすると安心です。内装なら結露期と梅雨前に換気と除湿を整え、汚れを溜めない掃除を続けます。異変があったときは、場所と症状を写真で残し、いつから変わったかをメモするだけでも相談がスムーズになります。

自分で見られるチェックポイント

外壁はひびの増加、雨筋の濃さ、白い粉の付着、触ると浮いている感覚がないかを確認します。内装は黒ずみやカビ、表面の粉、触れたときにざらつきが増えたかを見ます。窓周りや換気扇の近く、日当たりの悪い面など、条件が厳しい場所を重点的に見ると効率的です。危険な高所作業は避け、地上からの観察に留めるのが安全です。

プロに任せるべきサイン

浮きや剥がれ、空洞音がする箇所、雨の後に室内側へシミが出る場合は早めの調査が安心です。補修材の相性を誤ると再発しやすいため、原因を特定して工程を組める業者に相談するのが近道です。見積もりでは下地処理の内容、乾燥期間への配慮、取り合い部の処理範囲が明確かを確認します。左官工事と防水性は一体で考え、建物に合う守り方を選ぶことが失敗しないポイントです。

2026.02.13